3、No title【シリアス/短篇】

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それから数ヶ月後 ラグは相変わらずの忙しい日々を送っていた。 賞金額の良い魔導大会や、ギルドからの高ランクの依頼を断って 「魔族だ!魔族の襲撃だ!!」 この日の夜、突如魔族の大群が村に押し寄せてきた 村はあっという間に血や炎で赤く染まり、多くの人々が為す術も無くやられていった 警備をしていた首都の兵士や村の魔法使い達が魔族と戦い、1人を殺し一人が死ぬといった戦いを繰り広げていた そんな中、ラグは1人でそれを眺めていた 死ぬわけにはいかないんだという気持ちと、死にたくないという恐怖が彼をこの場に留めていた それを見たリタはラグの元へと駆け寄った 「ラグ、アンタ何してるのよ!!」 「…リタ…」 「村のみんなや兵士さん達が戦ってるのよ?!大会で優勝したクセに何1人で縮こまってるのよ!」 リタはラグの腕を引っ張った 「……、リタ、僕は戦えない…」 リタに引きずられながら弱々しい口調でそう呟いた。 それを聞いて怒りを覚えたリタはラグに怒鳴りつけた 「何が戦えないのよ!!アンタが魔法の天才だってことは村の誰だって知ってるのよ!剣も、体術も、他の人よりも凄い才能を持ってるじゃない!! あんな魔族、アンタの魔法があれば倒せるんでしょ?!何弱気になってるの!!」 「…………、出来ないよ…」 なおも弱気なラグにリタは激怒した 「弱虫!!村が壊されたら子供達はどうなるの?!村の人はどうなるの?! 今をどうにかしないと皆の未来は消えちゃうんだよ!これから待ってる幸せだって全部全部消えちゃうんだよ!! それを守るために皆命を掛けて村を守ってるんだ!一番力を持ってるラグが頑張らなくてどうするのよ!! もういい!アンタがそんな弱虫だなんて知らなかったわ!」 怒りと悲しみを織り交ぜた口調でリタは怒鳴り散らす。 そして村を守るため、リタはラグに背を向け走り去っていった
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