3、No title【シリアス/短篇】

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ラグは1人考えていた 『未来』と『今』 どちらが大切なのかと リタが言ったように、自分の知ってる上級魔法を使えば魔族を退けることが出来るかもしれない。 だが決して1回や2回で退けることなど出来ないし、魔力付加をしなければ剣や武術だけでは奴等に傷をつけることすら出来ない。 やるなら死を覚悟しなければ…… だが自分が死んでしまえば孤児院はどうなる? 勿論自分が死ぬことへの恐怖もあるが、それ以前に自分が死んだ後孤児院が成り立っていけるのかが心配だ 子供達はギルドで働けるほど大きくないし、リタだって魔法は使えても身体が弱いから永続的に働くことなんて不可能だ 維持費の問題もあるから村の誰かに孤児院を委託するわけにもいかない どちらをとればいいのか 《今をどうにかしないと皆の未来は消えちゃうんだよ!これから待ってる幸せだって全部全部消えちゃうんだよ!!》 不意にリタの言葉が頭をよぎる ――――今が無ければ、未来も無い……か…… ラグは、覚悟を決めた
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