4、No title【異世界現代混合ファンタジー/短編/シリアス/時忘れ原案1】

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何故彼がこのような事をしているかは――――――――――……… 「コソコソ隠れてないで出てこい。アンタも消すぞ?」 ビクッ! 「ば、バレてた…?」 「うおっ?!てっきり草むらにいるかと思ってた……」 神社の社(やしろ)の襖(ふすま)が突然開き、中から人間が出てきた。 声をかけたときに思いの外すぐに返事が返ってきたのだが、さすがに社の中にいるなんて罰当たりな奴はいないと思っていたカイは背後から聞こえた襖の音にガラにもなく驚く。 「………、誰だよアンタ…。つか罰当たりな…」 冷静さを装ってはいるが、内心心臓の鼓動が早い。 「アタシはアリサ。 カイ、貴方を探してたの」 「…………、俺を?」 「そ。」 訝しげな表情になるカイ アリサは何処からか数枚の紙を取り出し、読み上げる 「紫堂戒、年は17、誕生日は3月31日。……うわ、すっごいギリギリ… 牡羊座のO型。 出生についての詳細は不明で、天涯孤独。 9歳の時にこの街に越してきてて、近くのマンションで一人暮らしをしている。 ちなみに学校には行ってない……、と。」 スラスラと読み上げるアリサ。所々にコメントを入れる辺りからしてその情報は誰かから与えられたものと分かる。
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