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この様子から分ると思うが彼女は騒がしい2-1のクラス委員長を務める猛者。常に努力を欠かさず自分に厳しく、そして他人にも厳しく接することで有名な女子生徒だった
夕月は半ば呆れながら箱の中のじゃがりこを齧る
「……、なんか委員長…うちの月影にそっくりだ…」
「つき……、誰?」
「一緒に住んでるおにーさんのこと」
聞こえないように言ったつもりがしっかりと聞こえていたらしい
あまり深入りされたくない話なので夕月は適当に流す
……が
「似てるとか言っておきながらその扱いは無いんじゃないの?」
正義感と好奇心の強い彼女には逆効果だったようだ
普通の生徒ならば鬼の形相の委員長に恐れをなして素直に口を開くのだが、そう易々と口を開く夕月ではなく
「…じゃあ委員長こそ俺を学食のお昼も食べずに屋上で待たせてたんだから要件くらい言ってくれないかな?」
「うっ……!べっ、別に食べてくれば良かったんじゃない…!アタシのせいにしないでよね!」
「『昼休みに屋上で』としか書いてない色気0のメモを見て先にお昼を食べて来る人なんてそうそういないよ。しかもノートの切れ端だし……。
そもそも……」
キラン、と夕月の目が鋭く光る。
持前の口で捲くし立てるつもりなのだ
「時間とかも指定してくれてたら俺はちゃんと栄養バランスの整った昼飯を食べてたし、それが出来なかったからせめて空腹をしのぐために持ってたお菓子を食べてたんだからこれの責任は委員長にだってあるはずだよね?
……それとも委員長は微々たる責任だからって俺に全部擦り付けるような甘っちょろい人なのか?」
「そっ!そんなことない!!私は自分の言動や行動に責任を持ってるわよ!」
夕月に気に障る言葉を言われて咄嗟に反論。
予想通りの返答が返ってきたことに夕月はにっこりと笑う
「じゃあそろそろ教えてくれるよね?俺をここに呼び出した理由。その様子からして告白とかって嬉し恥ずかしの展開じゃないみたいだけど…」
他に好きな人がいるからそれは無いよ、と軽く流すルリにあ、そう…、とほんのり残念そうに答える
急にルリが黙り込み、数秒ほど経ってから口を開いた
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