5、月の王【現代学園ファンタジー/魔物/時忘れ原案2】

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「クク……、たかが人間に俺の結界を抜けられた……か…。面白い…」 「え…、じゃあ月影いいの?処理しないの?」 「あぁ……。隠者の存在を知られるのはまずいが……、こいつは面白い。 この女に少し興味が出た。記憶処理も面倒だからこちら側に引きずり込んでやれ」 「へ?ちょっ、記憶?!引きずり込む……?!」 何故か楽しそうな月影と専門用語だらけの言葉を交わす夕月に付いていけないルリは聞きなれない妙な単語に戸惑いを隠せないようで、これから自分はどんな目にあうのかと勝手に頭の中でシミュレートしては冷汗を流していた やはり単語だらけの言葉になってしまうルリだったが、『隠者?記憶処理ってどういうことよ、こちら側って何処の事?』と頭の中で必死に抗議していた 夕月と月影が何かを決めた直後、長いようで短い昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り出した。 その音に反応した夕月は帰ろうとする月影に2,3語伝えてルリの方にくるりと向き直る。 そして立ち止まったりはせずに通り様に『夜11時に昨日のビルの前で』と告げて屋上を後にした その後、クラス委員長であるルリが初めて授業に遅刻した、と一部で騒がれることとなる。
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