5、月の王【現代学園ファンタジー/魔物/時忘れ原案2】

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視界に違和感を覚え、ルリは目を擦る (……、月が歪んで見える…?) 目の前の景色が見えない、という訳ではないが、左右の目が物体をはっきりと捕らえるまでに間があった。 しかも少し視線を動かすとまたピントが合わない。 両目とも1.0の視力を持っているので眼鏡を掛けた人の気持ちはわからないが、もしかしたらこんな感じなのかな、と思いながらも自分に感じた異常に内心焦りを覚える が、それはどうやら自分の視力ではなく、本当に月が歪んでいた 「おいクソアマ、俺の後ろから出るなよ」 「へっ?」 「見たんだろ?昨日のアレを…」 何を…、と聞く前に答えは出た。 歪んだ月の中心から何か黒い物体が湧き出てきたのだ。
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