5、月の王【現代学園ファンタジー/魔物/時忘れ原案2】

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それは徐々に形を形成して昨日見たあの大きな生き物になり、夕月の前に現れたていたのだ 「きっ、昨日の?!夕月君が危ない!」 夕月よりも数倍はある生き物が威嚇するように唸りだす だが月影は一向に動こうともせず、平然とその様子を眺めている。それどころか(恐らくは夕月の物であろう)じゃがりこ(サラダ)の封を開けて食べ始めた 「つっ!月かげ……さ……?」 「あん?お前も食うか?」 大きな生き物と対峙している夕月を眺めながらじゃがりこを食べるというシュールな光景にどこからツッコミを入れていいのか分らなくなる あまりにも自然に「食うか?」と言われてしまったのでつい「あ、どうも…」と一本貰ってしまったのだが………… (……何か……、何かが間違ってる気がする……) ぽりぽりと齧りながらハテナマークがぽんぽん現れる (…、あれ?夕月、君?) その時対峙していた夕月が動き出した。 とはいっても攻撃を仕掛けるといったバトル的要素の動きではなく、手慣れた手つきでそっと眼球に指を置く。遠くから見ているために何をやっているのかは分らないが、コンタクトレンズを外す手つきに似ているような気がした どうやらその予想は当たっていたらしく、夕月はおもむろにポケットの中のコンタクトレンズのケースを取り出してそれを仕舞いこむ やっぱり何かが間違ってる気がする 「……、なんで今になってコンタクト外すのよ…しかも怪物目の前にして…」 「まぁ大人しく見てろ。言ったろ?お前を『こっち側に引きずり込む』って」 「……」 そういえば…、と昼間のことを思い出す。 もう受け入れてしまおうと決めたルリだったが、『こっち』とは何のことだろう、恐らくは目の前の怪物と関係があるんだろうけど……、と思考を巡らせる そして見た 夕月が一撃であの怪物を仕留めたのを
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