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「ギャァァァァアア!!」
ブシャッ、
と何かが噴き出るような音に続いて怪物の断末魔の叫びが夜の静寂を裂く
普通ではありえない高さに飛んだ夕月が次々と怪物の体を切り刻んでいき、それこそ既に動けなくしたというのに腕や足、肩などを切断していく
切り口が妙にリアルで直視してしまったことをルリは後悔した
「だーから言っただろ?『俺の後ろから出るな』って……」
そっちの意味かい!と軽く湧き上がる嘔吐感を堪えてツッコむ
そして夕月の方を再び見ると………
怪物に頭を下げて謝っていた
「へ?」
しかも怪物の方も頭を下げてこちらこそ、と謝り返している。
謙(へりくだ)ったサラリーマンのようだと思った
「ごめんね、痛かったでしょ?」
「コチラコソ……、ア、コレナラスグクッツクカラ心配シナイデ大丈夫ッス…」
「良かったぁ…。でも何でこっちに来るのさ?俺の仕事が増えるから来る時には申請してきてって言ってるでしょ?」
「スンマセン……、アッチニイルト周リノ雰囲気ニ影響サレチマッテドウシテモ…」
「はぁ…、仕方ないな…。今回は許すけどもう来ちゃダメだよ?今度来たら殺すよ?」
「ハイ…スンマセンシタ…」
こんな会話をした後、怪物はもぞもぞと帰って行った
(…やっぱり何か間違ってる気が…)
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