5、月の王【現代学園ファンタジー/魔物/時忘れ原案2】

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ガサッ、カリカリ…… サクサク…… ポリポリ…… …。 バリッ、カリカリ… サクサ…「だぁぁあ!うっさい!!!」 青嵐学園2-1クラス委員長、天音ルリは教室のど真ん中で叫んだ 標的は本日3箱目のじゃがりこ(サラダ)を開封した浅月夕月。 「アンタの食生活どうなってんのよ!!ちょっと弁当見せなさい!!」 「あっ!!」 机の右側に掛けられている弁当箱をひったくって包んでいる布を剥ぐ、そしてぱかっ、という圧力が変わる音と共に夕月の弁当が開封される 「………」 「………」 沈黙。 「……、これは?」 「じゃがりこ(サラダ)」 「……、コレを箸で食べるの?」 「違うよ?」 そう言って夕月は左側に掛っている小さめの水筒を取り出す。中には保温されて熱々のお湯が入っていて、それをじゃがりこの入った弁当箱の中に半分ほど入れる 「これでフタ閉めて2分待つ」 ……2分後…… ぱかっ、と蓋を開けると… 「……、何?これ」 「マッシュポテト!」 親指をグッと立てて自慢げにそう言った瞬間、夕月の脳天にスパァァン!という爽快な音と激痛が走る 「結局じゃがりこじゃない!!何でそう食生活が悪いの!っていうかこのお弁当箱に何箱分のじゃがりこが入ってるのよ?!」 「ってて……、えと、3箱」 再び爽快な音が響く 「合わせて6箱?!いい加減飽きなさい!そして普通の食事をとりなさい!」 「……い、痛い……」 昼休みだというのに教室が静かなのはルリの怒鳴り声にクラスの人が委縮しているからだろう いつも騒がしい2-1にはルリの努声と日直日誌の放つ爽快な音だけが響いていた ――――ここまでになります。 この話は4にも出てきた「紫堂戒」と共に、【時忘れの扉】という小説のキャラクターとなっています。 この話は「夕月」のプロトタイプ版であり、同時にネタバレのだったりもします(;^_^A そしてそして、ついでにぶっちゃけるとモバゲーで連載中の「substitution..?」にもこの後登場したりします。 けど、さっきも言った通り、これは「プロトタイプ」です。 完成版としては夕月の性格が大幅変更されていますので、ご了承ください。
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