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――――――――……んっ…
ぴちょんっ、という涼しい水音が頭に響き…
そよそよとした柔らかい風が頬を擽る。
そして……
「おーーい白髪のガキ!いい加減起きろーー!」
………。誰かが細長い棒で頬を突く
「……、さわやかな雰囲気が台無しだよ…、君は?」
ここが死後の世界なのか…、という感動も目の前の男のせいで台無しになってしまった。こんチクショウ!
というのも原因は目の前の男の容姿が問題だったりする。
男は着崩した学ランに、そこから見える控え目なアクセサリー。黒い髪を無造作に立てた目つきの悪い男が僕を覗き込むようにしゃがみこんでいるのだ。
……あれ、ここは…死後の世界?
もしかして肝臓とか売っちゃったりする危ない世界?なんて嫌な冗談を思い浮かべてあはは、と苦笑する。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、目の前で木の枝を持つ男は「俺が誰かだって?」と楽しそうな顔をしていてなんとなくムカついた。
……、これが"怒る"ってことなんだな…、と少しだけ感動していたのは秘密だ
「俺はアレだ。ほら、いるじゃん神様って」
「学ラン着て木の枝持ってる神様なんて居ないよ」
男はちょっとしたジョークじゃねぇかよー、と肩を落とす。
溜息をつきたいのは僕の方だよ……
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