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「……こんな血液が透けて赤く見える瞳が……?色素の無い髪が…?」
「な…何言ってんだ…?」
「こんなの…気持ち悪いだけじゃないか!!」
白皮症……という病気がある。
それは所謂ホワイトタイガーやシロヘビと同じアルビノのことで、僕はヒトのアルビノだった
動物園で見世物にされる白い動物達を見る人達は「可愛い」「羨ましい」と言った言葉を漏らしているけど、それはアルビノの事を「知らない」から言える言葉。
白い体毛や皮膚はメラニンが作れない身体だから
赤い瞳は色素の無い光彩から血液の色が透けて見えるから
最も、メラニン生成量が少なくても白皮症と呼ばれるから人によってはピンクだったり淡い青だったりするけど、僕の場合は"完全"にメラニンが作れない身体なので気持ちが悪いほど真っ白なのだ
メラニンが作れない身体というのは、つまり太陽光線から細胞が破壊されるのを防げないということで、白皮症…アルビノにとって日の光は天敵だ
効果的な治療法も無く、ただ皮膚と目を守るために遮光対策を取ることだけ。
それに加えて生まれつき病弱体質だったものだから病室から出ることすら許されずに扉も窓も閉め切った牢屋のような部屋に閉じ込められていた。
たまに病室から出てもやっぱり白い髪に赤い眼は目立ち、ついた名前は「悪魔の子」
それも原因だったのか、両親はお見舞いに来ることはあっても僕と会う事は無かった
せめて髪が白くなければ、瞳が赤くなければ…
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