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「クローフィ様のお帰りだ!!」
「門を開けろ!」
誰に連絡をしたわけでもないのに俺の帰還は知れ渡っているらしい。
どっからその情報を手に入れたのか、というか誰が俺をストークしているのか…
少しプライバシーについて頭を悩ませながらも俺はおとなしく開門を待ち、自分の部屋へと足を進めた。
「クローフィ様お帰りなさい。人間との共存はどうでした?」
「………。ヴァーニエ、その性格の悪さはどうにかならないか?」
「なりませんね。貴方が不在の間どれほど私達が大変だったか……」
黒い髪に黒い瞳、黒い法衣を纏った全身黒ずくめの男、ヴァーニエは笑顔を崩さず俺を見る。
ドラゴン1匹は殺せるほどの殺傷力を持つ笑顔だ。多分
「……まぁ、今更4年前のあなたの不注意を咎めたり突いたりすることなどしませんが」
「つい今しがたトゲだらけの台詞を聞いたがそれは気のせいか?」
「貴方が不在の間に起こったことを報告いたします。その耳かっぽじってよく聞いてくださいね」
「無視か、そうか無視か。んでその殺傷力満載の笑顔でさりげなく俺を卑下しただろ?」
「まず一つ目は東に拠点を置く魔族たちと人間たちが争いを起こしました。
これは責任者である貴方が不在であったため、全ての仕事を引き受けて多忙なこの私が無い時間を作り出して処理に行きました。
そして二つ目に…」
「畜生っ!いい加減人の話を聞きやがれ!!しかも恩着せがましいぞ!!」
いい加減キレ気味のクロはヴァーニエに向かって叫ぶ
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