9、改造者【一部だけ/異世界/職業】

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「――――人間と信じて疑わない程………。そうだな、アルメリアは並の人間よりも人間らしい奴だ…。 会ったばっかの俺たちに部屋を貸してくれたり、愛する夫のために夕飯一つで悩んだり……。だからこそ俺も信じられなかったんだよ ――――そういう行動がそもそも欠陥だってことにな」 その一言に、漲が口を開く 「…リズが言ったように人形とは感情を持たない物のこと。つまり人形であるアルメリアが感情を持つって事自体が欠陥って訳か?」 こくり、と静かに頷く 「そんな――っ!」 漲の言葉にリズが驚愕する そして 「――――気づいてしまいましたか…」 「「「…っ!」」」 ドアの方を向くとティーポットとカップを乗せたトレイを持ったアルメリアが立っていた 「言う勇気が無かったので、明日にしようと先延ばしにしていたのですが……、そうもいかないみたいですね…」 「あ…、その…」 慣れた手つきでお盆をテーブルの上に置き、人数分のカップにミルクティーを注ぐ  今の今まで彼女の話をしていたこともあり、3人は焦りと罪悪感でどう声をかけて良いか分からずに次の言葉が紡げないどころか、その場から動けない 「そんなに固くならないで下さい。私は自分が人形である事を理解していますし、それを指摘されても傷ついたり怒ったりはしませんよ」 カチャリ、とカップとソーサーの触れる音とアルメリアの透き通る声だけが部屋に響く  それまで少し気まずそうだったグレイがカップを受け取りながら口を開いた 「……もしかして、自分を直してくれ…って頼むつもりだったのか?」 「「なっ!」」 あまりの驚きに危うく中身が零れそうになった 「えぇ…。"今"の私では主人であるシバからの命令を遂行できませんから」 「命令?インストールされた内容のことか?」 「そうです」 空いていた椅子に腰かけてミルクティーのカップに口をつける。  その一連の動作は随分と落ち着いたものだが、それは逆に自分を落ちつけているようにも見えた 一息ついたところでアルメリアは話を切り出した。 ――――――彼女が"作られた"その訳を
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