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そして2,3年の月日が経ったある日、一つの結論に思い至りました
『感情なんて余計なものがあるから命令を遂行できないのではないか。
そもそも、インストールされた命令を遂行できない自分は欠陥品なのではないか』
今まで『愛』を知ろうとしてきた自分そのものが欠陥なのだ、と、そういう結論に至った私は自分の出した答えに絶望しました。
そもそも、シバは私の愛を求めているのでは無いのです。
"アルメリア"という、今は亡き妻からの愛を求めているのです
こう考えた時、確かに自分が欠陥品だと自覚しました。
人形が病気になるなどあり得ません
胸の当たりが締め付けられるような、そんな痛みを感じるはずがないのです
わたしが欠陥でなくなれば、きっとシバの求める『愛する』という命令を遂行できる
…そう思っていた矢先、風の噂で『改造者のミナギ』という名前を聞いたのです
"どんな物でも直すことが出来て、元の物よりも良い物にしてくれる"
私はこの時決めたのです。
この人ならきっと私を直してくれる。そうすれば、彼の望む"アルメリア"になれる………。
そう思った時、何故か涙が零れました
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