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「……だろう?俺の言った通りだ」
鏡時たちの会話に聞き耳をたてていたニゴが言った。
「だな。ここまでは計画通りだ」
シクが頷く。ナナハチも何度も頷いた。
「じ、じゃあ俺たちも車に行く…か?」
おどおどしながら言う。
「ああ。そうしよう。計画通り、朝決行する。いいな?」
「当たり前さ!」
今度はナナハチもシクと同じように力強く頷いた。三人の目に迷いはない。
ゆっくりと立ち上がりレジへと歩き出した。
「桔梗、そろそろ行こっか?」
鏡時、そして三人組が店内からいなくなった後、瑠璃が桔梗に話しかけた。
「んー?」
眠いのか眼をごしごし擦っている。それでも瑠璃を真っ直ぐに見ている。
「桔梗、ほら抱っこ。もうちょっと我慢してね?」
コクリと頷いた。そんな桔梗を瑠璃は優しさに満ちた眼で見た。
「いい?桔梗。よし、行くぞ」
桔梗は焦点の定まっていない眼で瑠璃を見上げている。それでも両手を上げ、瑠璃に抱き上げてもらう。
「桔梗、もうちょっと我慢してねー」
瑠璃と桔梗もレジへと向かった。
「ありがとぉございましたぁ」
店員の眠そうな声が店内に響いた。
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