1章
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「ほらっ」 手が差し延べられる。 「え…?」 「悪かったな ちょっとイラついてて…」 理奈が手を取ろうとした瞬間、 差し延べられていた手が消えた。 理奈は地面に ぶつかりそうになったが なんとか体制を立て直した。 「あっ、悪りぃ! オレの手汚ねぇからよ…」 自分がした行為を詫びて 申し訳なさそうにしている。 少年の手は確かに 野球の後で泥で汚れていた。
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