1章

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理奈はその少年の手に そっと触れた。 手を握ると顔を近付けて 柔らかく微笑む。 触れた手から 温もりと共に優しさが伝わる。 「そんなことない すごく素敵な手… 頑張ってるんだね……」 理奈の行為に少年は急に 顔を耳まで真っ赤にして 手を振り払った。 「じゃあなっ!」 気を付けろよと付けたし 桜が舞い散る中 急いで去って行った。 後に残された理奈は 彼の汚れ具合から かなり野球熱心なんだと思った。
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