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「おい、タオルくれ」
「はいぃぃっ!!」
和輝達に気を取られていたら
いきなり声を掛けられて
驚いた。
持っていたタオルを
落としそうになる。
「あ…かっちゃん」
声の主を見て
理奈は冷静さを取り戻す。
勝也は理奈の突然の反応に
固まっていた。
練習の後のため
汗が顔から首に滴り落ちる。
いつもサラサラの勝也の髪も
汗で湿っていた。
「それ、俺のタオル」
勝也が指を差して
タオルを渡すように促す。
理奈はタオルを見て
重大なことに気がついた。
先程、泣いたときに
使ったのは勝也のタオル
だったのだ。
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