4章

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「おい、タオルくれ」 「はいぃぃっ!!」 和輝達に気を取られていたら いきなり声を掛けられて 驚いた。 持っていたタオルを 落としそうになる。 「あ…かっちゃん」 声の主を見て 理奈は冷静さを取り戻す。 勝也は理奈の突然の反応に 固まっていた。 練習の後のため 汗が顔から首に滴り落ちる。 いつもサラサラの勝也の髪も 汗で湿っていた。 「それ、俺のタオル」 勝也が指を差して タオルを渡すように促す。 理奈はタオルを見て 重大なことに気がついた。 先程、泣いたときに 使ったのは勝也のタオル だったのだ。
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