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左手を振って否定する。
「そんなことないよ!
目にゴミが入って
擦りすぎちゃって赤いだけ」
勝也は意外そうな顔をする。
理奈のその行動は
無理に明るく
振る舞っているように見えた。
「判った
そのタオル今日一日貸すよ」
珍しく微笑して言う。
「あ…ありが」
「にしてもよー!!」
後ろを通り過ぎる
先輩の大きな声に遮られた。
理奈が振り返る。
どうやらこちらのことは
視界に入っていないらしい。
まったく気付く様子はない。
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