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ﾌｧﾝを見ていた目が止まる。
ﾌｪﾝｽ越しに見慣れた顔が見えた。
人だかりの後ろの方にいる
短い黒髪を
二つに結った少女は友達の
九条麻美(ｸｼﾞｮｳ ｱｻﾐ)だった。
麻美はひたすら部員達が
集合している場所を見ている。
(麻美ちゃんも
かっちゃん見に来たのかな？
麻美ちゃん結構
ﾐｰﾊｰな所あるし…)
ふと気が付く。
空を見ると
太陽が顔をだし
青空が広がっていた。
(かっちゃん…
かっちゃんはやっぱり
皆の人気者だよ)
空は快晴。
心地好い風が流れ出す。
野球部員の元気な
掛け声が聞こえ始めると
理奈は勝也に想いを
馳せていた。
先程までの
哀しそうな顔を
胸に抱いて。
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