5章

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山の木々は深緑に染まり、 葉の隙間から見える空は 広く、青くすがすがしい。 雲一つない青空には 太陽が天高く昇り、 球児達の肌を じりじりと小麦色に焼く。 選手達の肌はすでに真っ黒で 時折、笑顔から見える歯は 白く輝いていた。 遠くで蝉が鳴くのが聞こえた。 まだ真夏というには 彼等には早い七月の終わり。 終業式を済ませ、 夏休みになると直ぐに 野球部はとある山に 合宿に来ていた。 理奈達が通う常磐(トキワ)高校は 予選で甲子園出場を掴み、 優勝を目指して強化合宿中だ。 普段でも厳しい練習は さらに厳しさを増していた。 その練習の厳しさが 彼等に甲子園が近いことを 感じさせた。
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