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筋トレが終われば
本格的な練習が始まるため、
理奈は部で持参した
練習道具を一人で
グラウンドに運んでいた。
野球部にマネージャーは
理奈以外にもいるが
合宿には不参加なので
理奈が一人でマネージャーの仕事を
しなければならない。
父に鍛えられているため
一般の女子より筋肉質だが、
無駄のない肢体は華奢で
懸命に運ぶ姿は危なっかしい。
「勝也ーっ!頑張って!!」
合宿にもついて来たのか
優乃がそばのベンチに腰を掛け、
勝也に声援を送る。
野球ボールが
ぎっしり詰まったカゴを運び、
後ろを通り過ぎると
くるっと優乃が振り返り
理奈を凝視する。
部活仕様のTシャツ姿の理奈に比べ
キャミソールといった
女の子らしい服装だ。
「重そうねー!
マネージャーは本当大変ね!!」
極上スマイルで言う。
「どうも…」
理奈が話していると
突然、持っていたカゴが
軽くなった。
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