5章

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理奈が次の休憩の用意をしようと グラウンドのベンチ (選手達が試合で控えている) に戻るとベンチの屋根に 和輝がいた。 左脚を立て、 右脚をぶら下げている。 その表情は虚ろで 切なそうに見えた。 一瞬、理奈の鼓動が止まる。 「練習始まるよ!」 明るく声をかける。 「お前か…」 理奈を見ることなく 気にかける様子はない。 そのまま立てた膝に 腕を掛け、顔を沈める。 思い詰めた表情だった。
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