663人が本棚に入れています
本棚に追加
理奈が次の休憩の用意をしようと
グラウンドのベンチ
(選手達が試合で控えている)
に戻るとベンチの屋根に
和輝がいた。
左脚を立て、
右脚をぶら下げている。
その表情は虚ろで
切なそうに見えた。
一瞬、理奈の鼓動が止まる。
「練習始まるよ!」
明るく声をかける。
「お前か…」
理奈を見ることなく
気にかける様子はない。
そのまま立てた膝に
腕を掛け、顔を沈める。
思い詰めた表情だった。
最初のコメントを投稿しよう!