5章

11/12
前へ
/511ページ
次へ
小鳥が鳴いている。 木々がざわめく。 柔らかい光が 木葉の隙間から差し込み 辺りがきらきらと輝く。 吹き抜ける風が 汗を乾かしていく。 ベンチに手を付き顔を近付ける。 理奈は眠ったままだ。 「どうして…オレに構うんだよ」 さわさわと音を立てて 葉が揺れる。 和輝の顔が切なそうに歪む。 「お前を… もう傷つけたくないんだ…」   ……これ以上…… 「だから…もう… オレに…構わないでくれ」
/511ページ

最初のコメントを投稿しよう!

663人が本棚に入れています
本棚に追加