罪悪感と反抗

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『本文:オレ、マサって言うんだぽん♪きみは??』   「本文:あたし、小春。北海道から発信ダヨ。」   『本文:マジで?オレ東京だからムチャ遠いナ!!』   そんな他愛もない文字の投げあいをしてた。 そんな感じで何回か繰り返していると突然、不意を付かれたような内容が返ってきた。   『本文:彼氏とかいないの?』   小春はその文字に気付かされ、しばし手が止まる。   自分は婚約してる身なのにこんなことをしててもいいんだろうか……と。     津波の様に罪悪感が襲う。携帯を握る手がほのかに汗ばんでくる。   だがふと、彼女の中で誰かが囁く。   [どうせ東京と北海道だし、逢うつもりも無いんだからいいんじゃないの?]       ……イインジャナイノ?     気付くと携帯に文字を打ち込んでいた。   小春は徹に対して物足りなさと不安を感じ、その凌ぎを無意識にマサに見出だしていたのかも知れない。   「本文:彼氏いないよ♪写メ交換しちゃおっか☆」   そう打ち込んだ。送信ボタンを押す指が少し震えてた…。
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