1674人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
「あれ?……これ…。」
興奮が覚めないままのあたしが、家に着いた時、時間は12時を回っていた。
部屋に入ってバックを開けると、見知らぬ紙切れが1枚、目に入った。
目を通すと、それがさっき“タカギ”が落とした書類のうちの1枚だと気付く。
「………」
あたしはその書類を今度はゆっくり読む。
そこには、なんだかわからない規約みたいな文と、お給料の事が書かれていた。
60分コース、料金18000円
バック………
「10000円!?」
あたしはその数字に、目を丸くした。
釘付けになる。
〈たった……1時間で……そんなに…もらえるの!?〉
考えられない。
今の仕事じゃ、10000円稼ぐのに二日はかかる…。
それが……たった1時間で…。
生唾を飲む。
紙切れを強く掴んだ。
強い……
好奇心か生まれてくるのを感じた。
そしてあたしは書類の下に、名前を見付けた。
「制作者、大橋店、店長…………
高樹 誠也………。」
タカギ…セイヤ……。
それが“タカギ”のフルネーム。
最初のコメントを投稿しよう!