その世界の中へ

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改めて思った。  あたし…こんなあっさりやってみようなんて決断したけど…。 『風俗で働く』なんて、普通こんな簡単に決められるものなのかな…?  でも、抵抗はなかった。 まだ実感がないからなのかな…?  仕事をしてみないと…、分からないんだよね。 高樹さんは、さっきまでのふざけた会話をしていた時とは一変して、書類や道具等を用意している。 その時、店の電話が鳴った。  tu ru ru ru ru... 「はい、お電話ありがとうございます。ジェニファー大橋店でございます。」  あたしは電話をとった高樹さんをジッと見た。  「はい、今の時間ですと……、一番早いのが、しいねちゃんのご案内ですね。ただいま出勤したばかりですので。」  あたしは椎名さんを見た。彼女もあたしを見てニコッと笑う。  「仕事…行っちゃうの?」 「…そうみたいだね。用意してくるね。」  何だか少しだけ、心細くなった。  「はい、では、7時にホテルの方に伺いますので。」 高樹さんは電話を切ってあたしを見た。  「しいねちゃんは用意に行ったの?」  「あ、はい。」  高樹さんは何かを書き始めた。
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