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必死だったと思う。
不自然なくらい。
高樹さんに言われたこと
社長に教わったこと
ただそれだけを
何度も何度も
思い出した。
真っ白になりそうで怖くて、
うまくできたかなんてわからない。
覚えてない。
ただ、お客さんは『新人マニア』たったらしく、あたしがどんな失敗しても、丁寧に教えてくれた気がした。
…あんまり覚えてないんだけどね。
あたしはこの初日、2人の客に着いた。
2人目の客は、綺麗な高層マンションに住む、20代の若い人だった。話も、しやすくて、部屋もかなり素敵だった。
話が合ってちょっと…
緊張はほぐれた。
迎えに来た高樹さんの車に乗ったとき、深夜2時を過ぎていた。
この車……
いい匂いがするなぁ…。
あたしはただそれだけで、暖かくなった。
〈さて………
どうしよう…あたし……〉
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