第一章

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「ねぇ、また来たよ。タカギ。」 飛鳥さんの言葉に、あたしは接客を忘れ、あの人を見た。  〈今日は女連れ…  でも、また見たことない顔だ…。〉 “タカギ”は連れの女の子に、何度も試着をさせる。 飛鳥さんはにこやかに接客していた。  どの子が…彼女?  次に来るときは…、また違うコなのかな…。 「すいませ~ん?おねえさ~ん?綾さ~ん!」 「あ、ごめんなさいねッ。えっと…、サイズね、これ出ちゃってるだけなんですよ~。違う色なら…、あ、そっちに。」 あたしは客を案内しながら、今日も“タカギ”を見ている。
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