始まり

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
その日から、私達は恋人と云う関係になった。 一緒にお昼を食べたり、手をつないだり…キスをしたり。   まだ子供だった私達は自分達が出来る精一杯で愛し合った。   覚えたばかりのセックスは拙く、それでも優しく触れてくれる彼が愛おしくて、私は彼を受け入れる行為が好きになれた。   私達は幸せだった。 ずっと幸せになるつもりだった。     あの女が間に入らなければ…或はまだ愛し合っていたのかもしれない。 でも、この時は彼女の思惑に気付く事など出来はしなかったのだ。 お互いしか見えていない私達には。   握った手はまだ、幸福に満ちていた。 静かに、そっと。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!