九州男児:拓

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俺の名前は山岡 拓。どこにもいそうなごく普通の九州男児だ。 俺は今、専門学生で今年21歳になる。 〈キーンコーンカーンコーン〉授業終了の合図が鳴り響く。 「おいっ!拓!起きろ!昼飯食べ行くぞ!」 友達の圭太と一彦が起こしに来た。二人とは専門学校生活始まってからの大親友だ。 「まだ眠い…」 拓はまだ寝ぼけてる。 〈バシッ!〉 「痛っ」 圭太に頭を叩かれた。 「いいけん食べ行くぜ!」 無理矢理起こされながら学校近くの食堂に行った。 「あぁ~食った食った。やっぱり食べるて幸せだよな~」 そんな拓を見て呆れながら一彦は言った。 「お前寝るか食うかしかしてないじゃん!」 「それが1番幸せやもん」 拓は笑いながら言った。 しばらく適当な日常会話をしていると圭太が拓に話題を振った。 「お前彼女作らんの?」 拓は少し下を見ながらため息をつき、また笑いながら話し出した。 「無理無理!出会いないし、モテないし。あと…」 しばらく沈黙になり 「あと…ほら、恋したらつらいこともあるじゃん!? 俺、お前らいてくれたらそれでいいし。今までの恋愛がすごくつらかったから…」 一彦と圭太にはその時の拓が悲しそうな顔をしていたように見えた。
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