すれ違い~揺れ動く心~

3/11
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
しばらく三人に沈黙が続いた。 最初に言葉を発したのは麻衣だった。 「小雪?落ち着いた?」 「え、うん。大丈夫。」 「本当心配したんだからね! 本当拓君に感謝しないといけんよ! あたしちょっと本格的に具合悪くなってきたから先帰るね… 拓君後はよろしくね。 ならまたね…」 そういうと麻衣は拓と小雪の方を振り向くことなく帰っていった。 帰り際の麻衣の瞳からは一滴の雫が落ち、その雫は公園の中心で地面につき、砕け散った…麻衣の目から涙が出たことを拓も小雪も知ることはなかった… 「なんか今日の麻衣…少しおかしかったな…」 小雪は今、自分のことでいっぱいいっぱいで、麻衣の気持ちを深く考えることはできなかった……そして、小雪は拓の優しさに少し心をうたれていた…。 そして拓は………麻衣の冷たい反応に傷付き……嫌われてると思い、また、恋を諦めかけようとしていた……また自分の気持ちから逃げようとしていた。 その頃麻衣は、家に着いて布団をかぶっていた… (あたし絶対馬鹿だ…拓君にあんな反応してしまって…もう…顔合わせれない…あたし最低な女だ…) 麻衣もまた自分から逃げようとしていた…
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!