第一章 春 ~桜~
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「…俺、癌なんだ」 「…ん」 「ずっと…言えなくて…美咲といるのが楽しかった…からそれを…壊したくなくて」 「…ん」 「言わなくて…ごめん」 彼が一言話す度に涙がこぼれた。 彼がいなくなるなんて信じたくなかった。 しかし青ざめた顔を見ると嘘ではないのが分かった。
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