第一章 春 ~桜~

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「…そう言って彼は…息を引き取ったわ」 頭上に咲く桜を見つめながら彼女は言った。 桜を通して“透”を思い出しているのだろう。 「なぜその場所なんだ?」 男のふとした疑問に小さく笑い、幸せそうな表情で言った。 「彼が亡くなる前に…桜が並ぶ道の真ん中でプロポーズしてくれたからよ」
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