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「死ぬって分かっていても…彼は最期まで生き抜いたわ」
“透”の生き方に尊敬と若干の嫉妬を感じた。
男の目から見てもかっこいいと思う。
「たぶん私は彼を忘れることはないと思う」
何も言う言葉が見つからない。
彼女の中で“透”は生き続けているのだ。
「…分かった。でも…」
心に強い決意をし、女に向き合って小さい箱を取り出した。
「忘れなくていい。思い出を抱えたまま、俺と結婚してくれないか…?」
一瞬驚いた顔をして、うっすら涙を浮かべながら幸せそうに微笑んだ。
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