第一章 春 ~桜~

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冬の寒さを風に残し、町は春の花で色鮮やかになりつつある。 木には淡いピンクの桜が咲き乱れ、それを愛おしく見上げる女が一人立っていた。 「何見てるんだ?」 隣にいた男が声をかけた。 「ん?…桜」 若干笑みを浮かべながら、でもどこか寂しそうにポツリと言った。
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