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「やっぱり…ここにいたんだ」
先輩は屋上のフェンスに寄りかかり、淋しそうな顔をしていた。
「おぉ、どーしたん?」
こっちの存在に気付くと、いつもの笑顔に戻って話しかけてくる。
「ううん、なんでも……」
嫌な予感がしたから先輩に会いに来た…なんて言えない。
私の手が届かない、遠い場所へ行ってしまいそうな気がして。
「……さては、俺ん顔が見たなったんやな?」
そう言って笑う先輩に、私も笑顔を返した。
そして、自分も先輩の隣でフェンスに寄りかかる。
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