第三章 賭け

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第三章 賭け

チカとメールするようになって以来、俺もその頃好きだった女とメールも余りしなくなり、俺は自分の事より、チカの恋を応援する事が多くなっていた。あれは初夏のとある日曜日。いつものようにチカとメールしていたら、急に電話がしたくなり、チカに電話した。その時も話はくだらない話。そこでチカは、とんでもない話を持ちかけたのである。「あのね、月曜日、朝告白しようと思うんだぁ」 マジで!? かなり急な話で驚いたが、俺はとっさにこう言った「んじゃぁ、もしフラれたら、俺の胸で泣きな!!笑」っとまぁ、くだらない話もしつつ、俺までドキドキしてきていたのは事実。自分がコクるかのように、何か変に緊張していた。 週明け、月曜日。俺は珍しく朝7時過ぎに家を出て、タバコふかしながら学校に向かった。教室にはまだ誰もいない。少し黄昏ていると、チカがやって来た。鞄を置き、何やら緊張した顔でたたずんでいた。俺は他人ごとのように「頑張れょ」なんて言いながら、外を見ていた。ついにチカは教室を出て行った。おぉぉ、ついに行った! 変にワクワクする俺。少ししてチカが帰ってきた。チカの顔はさっきと変わらず緊張していた。「ちょっと廊下に来てくんない?」 いやぁ、フラれたんかぁ…
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