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カラオケからパーキングまで5分もかからないところに祐樹クンの車は停めてあった。
「ちょっと待ってや。乗りにくいし、車出すわ」
「うん…」
急にお父さんの事で頭がいっぱいになる。
もしひどい事故だったら…と悪い方に考えてしまう。
「麗子チャン?はよ乗りや」
「…うん」
祐樹クンの声でボーっとしてた自分に気づいた。
しっかりしなければ。
「お父さん、軽症やったらいいな。状況とか聞いてへんの?」
「うん。事故って聞いてテンパっちゃって。頭真っ白になっちゃった。電話も切れちゃうし」
「俺もおとんがそうなったらテンパったりするやろうし、普通やで。心配やろうけど、多分大丈夫や」
「うん、ありがとう」
祐樹クンの優しさが、今のあたしの心を少し落ち着かせた。
暫くして病院に着き、また連絡すると伝えて車を降りた。
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