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急いで病院へ入り、受付の人にお父さんの居場所を聞いて病室まで向かう。 夜の病院は全体的に静かで、薄暗い。 あたしの歩くヒールの音だけが廊下に響いていた。 どうか、何もありませんように。 そう願いながら、病室の前についた。 202号室、ここだ。 深呼吸をして、いざ、中へ入る。 すると、お父さんとお母さんの姿が… 「麗子、あんた遅いから先に煎餅食べちゃったわよ」 「麗子、そこのリモコン取ってくれ」 この緊迫感のない空気は何? お父さんもピンピンしていた。
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