5/27
前へ
/291ページ
次へ
カラオケで受付を済ませ、部屋に入る。 そして、順番に名前と職業だけの軽い自己紹介をした。 初めて聞く彼の声は意外にも低く、酒焼けしたような声にまたギャップを感じた。 あたしにはこのギャップも彼を格好良く見せる為のものに思えた。 彼が話す度にあたしの心臓はドクドクと早く波打ち、ずっとその声を聞いていたいと思わせた。 そんな風に感じながらも、もう一人の自分が待て待てと囁く。 外見に惑わされるなと。 そんな恋愛は10代で経験済みなのだ。 これは一目惚れなのだろうか…。 性格など全く知らない段階で、こんなに熱くなってる自分に驚いた。 彼の何がそうさせているのか考えてみるけどわからない。 まるで、雷にでも打たれたような感覚なのだ。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

356人が本棚に入れています
本棚に追加