356人が本棚に入れています
本棚に追加
暫くみんなで話していたが、いつのまにか加奈は公務員の人と、夏美は祐樹クンと話し始めた。
祐樹クンがあたしの気になる人。
旅行会社の人があたしに色々と話し掛けてきてたが、あたしはこの人より祐樹クンが気になって、話しかけられても適当に相槌を打ってかわしていた。
夏美と祐樹クンの会話をこっそり聞きながら。
「祐樹くんって本当に現場やってる人ぉ?その割りに華奢やんね」
「それ気にしてんのに言うか~。でも筋肉はある方やで」
そう言いながら腕まくりをする彼を横目にあたしは見ていた。
その視線を感じてか、祐樹クンは夏美とあたしを交互に見ながら「なっ?」っと軽く笑った。
「ほんと~。華奢なんて言ってごめ~ん」
夏美が甘えた声で返事をし、あたしは「うん」しか言えなかった。
せっかくのチャンスだったのに…
あたしのバカ。
最初のコメントを投稿しよう!