不格好なトリュフ

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部屋に戻ると、私は呆然としていた。 たいしたことでない。 と言い聞かせていたのに 改めてショックを感じている自分にも驚いた。 鞄をほおり投げるように置き、崩れ落ちるように床に座り込む。  ふいに、手が何かに触れた。 それは、渡すはずのバレンタインカードだった。 「好きです・・か」 書かれたたった一言を読み上げる。 このカードを見ても、昨日みたいに鼓動は音をたてなかった。 .
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