不格好なトリュフ

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そばに、一昨日買った漫画が置いてあった。 手に取って開くと、男の子がヒロインのもとに走っていく場面だった。 そばにいる女の子の手を振り切って行くが 男の子はその子のことを振り返りもしていない。 私は、この女の子のようだ。 より物語を盛り上げていくためだけの存在。 「恋は漫画のようにきれいなものじゃない」 なんてわけじゃなく 漫画は恋のきれいなところしか写していないのだと気づいた。 漫画の中にだっている。 私達の周りにだっている。 どこにだって、ヒロインになりきれない女の子がいる。
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