アライバル(着任)

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爆風と榴弾内のベアリング弾が激しい衝撃と共に、TANKの装甲を容赦無く貫く、 HMDの強化シールドが割れ、額に破片が刺さり、 身体中に激痛が走る、恐らく肋骨も何本か折れているのだろうが、そんな事にかまっている暇はない、 満身創痍な身体に鞭を打ち仰向けに倒れた自らのTANKを起こす。 血が入って霞む視界には紅いTANKは居なくなっていた、あるのはただ紅い装甲の破片が少し残るだけ、殺気も爆音も砲弾が飛び交う音もしない降りしきる雨と俺のTANK「イリス」のメタルリキッドエンジンの音だけがその静寂を支配していた。 カイル「撤退した…のか? ぐう‼」 極度の緊張が取れた反動か更に傷が痛む、 肉体の変化を察知して必要な科学製剤を自動で人体に供給してくれるこのパイロットスーツが無ければ意識を保つのも難しいだろう、 それもこれも我らの神様のおかげなのだ。 気付くとローラーダッシュの音が直ぐ近くで止まる「イリス」の第三世代機である「クリス」の右肩にはシールズ03のロゴマーク多分、少佐だろう。 ディエゴ「大丈夫か軍曹?、そのTANKで良く立ち回れたもんだ、 しかも竜巻まで退けちまうとは」 カイル「満身創痍ですよ、 俺もイリスも」 ディエゴ「だが生きていて何よりだ、 改めて歓迎しようようこそシールズ03へ、カイル・スベトルイ軍曹」
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