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涙が、止まらなかった。
くしゃりと、手紙が潰れる音を立てて私の手の中に小さくなっていく。
彼女の机の上で私は泣き続けた。
願いを叶えてあげられない事に。
彼女からは沢山の笑顔を貰っていた。
私は彼女の可愛らしくて崩れてしまいそうに儚い笑い方が好きだった。
足長で、歩いていたら通り過ぎてしまいそうな小さな花のような子だった。
でも、してはいけない恋にどうこうなんて出来ない。
華女の通称をもつ女学校で抱いた私の想いなんて
こんな風にして、少し夢見るくらいのやりとりで充分過ぎるんだ。
してはいけない、なんてものはないと思うけど。
私のケジメだ。
くしゃくしゃになった手紙を丁寧に伸ばして机に戻した。
それから教室を探して見つけた油性マジックで小さく返信を机の隅に書く。
手渡しは出来ないけど、届くかな。
最後の手紙。
震える手で書いた短い手紙。
ありがとう。
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