Ж1話Ж ゲームソフト

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カラ~ンという軽い鈴の音がして、子供とも大人ともいえないような、男の声が聞こえた。   『おじぃさん、ありがとう。これで、俺はやっと成仏できる。ゲームソフト…無駄にならなくてよかった。』   私は、その消えかかった、足の主を見ながら、こう答えた。   『物には気が籠もる。それは悪い気でも、良い気でも。私は何もしてないよ。君達の絆が、今回の結果になったんだよ。さぁ、もう、お逝きなさい。君の旅は今からなのだから。』     さて、次のお客様はどんな人かの。 私は、鈴のある茶色い木製のドアを見ながら、ニヤリと笑った。
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