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いつも通りの学校への通学路。高校に入ってからは変わらない景色、私の横を通り過ぎる車の波。いつもの時間に、通い慣れた道を足早に学校へと向かう…。
変わったことと言えば私が所属する部活に後輩が入っきたことくらい。もちろん進級したし、クラス替えもあった。でも私にとって、学校生活とは部活動、バスケットが中心となっていた。
うれしいことに、今年は中学時代に全国大会へと出場した子が2人入部した。バスケ馬鹿を自認する私の頭は、これから自分が出るバスケの大会の事で一杯になっていた。
私はゼッタイに全国大会に出場してやるんだ、と強く誓う。今後の部活のことを考えると、胸が踊り、ウキウキした気分になる。
私は決してスター選手ではない。自分ではそう思っている。でも小学生でバスケを始め、バスケットの実力にはそれなりの自信を持っている。
でも高校に入ってから一度も公式戦に出たことがない。今の代は3年生がやたらと多い。実力主義の高校では同じことにはならないかもしれないけど、うちの学校は年功序列でチーム編成していた。2年の私は、例え実力があっても試合にはなかなか出してもらえない。
これからやって来るであろう自分の代に期待しながら、バスケの事を考えながら歩いていると、後方から近寄ってくる気配があった。
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