第1章. 出逢い

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「今日って、そんなに暑い?まだ4月だよ」 キラリと胸元に光るものが目に入ったのだが、私は知らない振りをした。 私の言葉を聞き久美は、はぁ、っとため息をつく。今度は胸元に輝くネックレスを指で摘み上げ、私に見せ付けた。 「あれっ、そんなの持ってた?」 仕方ない指摘するか…。久美は待ってましたとばかりに、誇らしげに首に掛けたネックレスを私の目の前に近付けてくる。 「私に見せつけてるの?カワイイね。まあ、興味ないわけじゃないけど、バスケしてる時には邪魔だから要らない」とそっけなく答えた。 その言葉に久美は、再び深いため息をつく。久美は、これ以上は言って無駄かな、と心では思ったが引かなかった。おほん、と咳払いしてから続ける。
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