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雨の中足速に道を進む。
次第に雨は強さを増していき、終いには土砂降りに変わってしまった。
「ちっ……芭蕉さん、走りますよ。」
僕は言い終わる前に全力疾走。
「え、…ち、ちょっと待って~!」
だらし無い声が後から聞こえてくる。
師を差し置いて疾走なんて自分でも少し笑ってしまう。
何故かこの人には…つい口が、手が出てしまうのだ。
でもこの師匠なら何をしても大丈夫だろう。
そんな事を脳内で考えてるうちに…
「曽良くぅ~ん!速いよぅ~!もっとゆっくり…フギャッ//」
この時僕はちょっとした空想と雨音のお陰で芭蕉さんが転んだ事に気付きもしなかった。
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